2025年5月29日の東京株式市場は大幅反発となり、日経平均株価は前日比718.58円高(+1.91%)の38,432.98円と、2月21日以来の高値を更新しました。TOPIXも1.5%高の2,812.02で取引を終えました。
上昇の背景には、米国国際貿易裁判所がトランプ政権による関税措置を違法と判断し差し止めを命じたことがあります。この判断を受けて市場では貿易摩擦の緩和が意識され、投資家のリスク選好姿勢が強まりました。
加えて、米NVIDIA(エヌビディア)が発表した2025年1~3月期決算が市場予想を上回り、第2四半期の見通しも強気であったことが好感され、AI関連や半導体株を中心に幅広い銘柄が買われました。NASDAQ100先物は時間外で+2.00%高と急騰しています。
外国為替市場では円安が進行し、ドル円は一時1ドル=146.28円まで下落。ドル買い戻しと月末のポジション調整が要因とされています。リスクオンの流れも円売りにつながりました。
アジア株も総じて堅調で、香港、上海、台湾、韓国の主要指数がいずれも上昇。韓国・台湾ではエヌビディア好決算を背景とした半導体関連株の上昇が顕著でした。
一方で、米中関係の悪化には警戒感が残ります。米国は中国向けの半導体設計ソフトウェアや一部戦略物資の輸出停止を発表し、中国人留学生のビザ取消も進める方針です。これらが中長期的な地政学リスクとして残る中、トランプ政権は今回の判決に控訴する構えを見せており、今後の展開には注意が必要です。
債券市場では超長期ゾーンに売りが入り、新発30年債利回りは2.955%と5.5bp上昇。40年債入札の不調も影響しました。一方、新発5年債利回りは1.030%に低下し、個人・機関投資家の買い需要が確認されました。
全体として、関税無効判断・AI成長期待・円安という好材料が揃ったことで、投資家心理は大きく改善しましたが、地政学的なリスクや米国内の法的動向が再び波乱要因となる可能性もあります。明日以降の動向にも引き続き注視が必要です。
株式会社アイリンクインベストメント
岩本壮一郎

