日曜日, 2月 15, 2026
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誰も知らない防衛費のカラクリ、実はGDP比5%だった日本

NATO(北大西洋条約機構)加盟国は、2035年までに防衛費をGDP比5%に引き上げるという新たな指針を打ち出しています。これに対し日本では、長年「防衛費はGDP比1%まで」という“1%の壁”と呼ばれる不文律が存在してきました。しかし、国際情勢の変化を受け、日本政府はすでに防衛費の大幅な増額を進めており、2027年度にはGDP比2%を目指す方針を明確にしています。

この計画に基づき、防衛関連予算は着実に積み増しが行われており、2024年度時点ではGDP比で約1.6%に達しているとされます。これは、従来の基準から見れば画期的な水準です。

一方で、防衛費の国際比較においては、各国の算出方法に違いがあることも留意すべき点です。日本の防衛費には、いわゆる「公共事業費」が含まれていません。対照的に、米国やフランスなどのNATO諸国では、軍人が平時に道路や港湾整備、災害復旧などのインフラ事業を担っており、その分も軍事予算に含まれるケースが多くあります。米国の陸軍工兵隊などがその典型です。

一方、日本では公共事業は主に国土交通省や地方自治体が担っており、自衛隊がそれを日常的に執行する仕組みにはなっていません。ただし、日本国内における公共事業費は国・地方を合わせて年間約22兆円規模にのぼると推計されており(令和6年度予算ベース)、仮にこの一部または全部を自衛隊の管轄に組み入れ、「国防インフラ整備」の一環とみなす形に制度設計が見直された場合、防衛関連支出は名目GDP比で約4%程度にまで達する可能性があります(624兆円の名目GDPを基準に試算)。

したがって、表面上のGDP比1%や2%といった数値のみで日本の防衛努力を評価するのではなく、算出方法や費目の違いを考慮に入れた実質的な比較が不可欠です。

今後、安全保障環境が一層厳しさを増す中で、自衛隊の機能拡充と公共的役割の再評価が進めば、防衛費の実質的水準はNATO諸国の目標値に近づいていく可能性もあります。防衛と経済のバランスをとりつつ、予算編成の透明性と国民理解の確保が求められる局面に入っているといえます。

というより、日本の国会議員さんは各国の算出方法に違いがあることを知っているんでしょうか?

株式会社アイリンクインベストメント
マーケットストラテジスト 岩本壮一郎

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