日曜日, 2月 15, 2026
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円安と金利上昇の同時進行リスク 欧州債務不安から日本市場が得る警鐘

欧州債券市場の不安定化と日本への示唆

欧州債券市場の不安定化

2025年9月、欧州の債券市場には不安定な動きが相次ぎました。フランスでは政局不安から財政悪化への懸念が高まり、国債の格付けが引き下げられました。その結果、10年債利回りがイタリアを上回るという1999年以来の異例の事態が発生しています。依然としてフランスのCDSがイタリアを上回るなど、不安は継続しています。

同時期、英国の10年国債利回りは一時4.85%に上昇し、2022年の「トラスショック」を超える水準となりました。現在も4.7%程度で推移しており、先進国の中でも英国が突出して厳しいストレスにさらされています。
一方、世界の株式市場はこうした債券市場の緊張感をよそに最高値更新を続けています。繰り返し指摘していますが、日本市場も日経平均株価が4万5000円を超え、PER・PBRともに上限を突破した状況にあります。

英国におけるスタグフレーション懸念

英国経済が直面している最大の課題は「スタグフレーション(物価上昇と景気停滞の同時進行)」です。インフレ率は再び加速し、8月には前年比3.8%とG7の中でも高い伸びを記録しました。
一方で成長率は鈍化しており、2025年4–6月期の実質GDP成長率は前期比+0.3%にとどまりました。こうした状況を受け、イングランド銀行(BOE)は不況対策として利下げを模索していますが、「インフレ下での利下げ」という非常に危うい政策運営を迫られている状況です。

IMF支援の可能性と現実性

一部では1976年のようにIMF支援を受ける可能性も取り沙汰されています。しかし当時と比べ、現在は市場からの資金調達が継続しているため、IMF支援が現実化する可能性は限定的と見られます。

日本への示唆:「もらい事故」のリスク

英国や米国で財政リスクがテーマ化する中、日本も「円安と金利上昇」が同時進行する形で影響を受けるリスクがあります。会員放送でもお話ししましたが、この流れが最も懸念される展開です。特に為替市場の直近の動きには不穏さが漂っています。

円安局面では「パニック的な円売りと日本国債売り」が併発するリスクが高まります。実際、直近の国政選挙前後には円安と国債利回り上昇が同時進行しました。そして足元では自民党総裁選挙が控えており、これが相場の火種となり得る局面です。

まとめ

  • 欧州では英国を中心に債券市場が不安定化。
  • 英国はスタグフレーションに直面し、利下げという危うい政策を模索。
  • 日本も「円安時代のパニック」による金利上昇リスクを抱えており、対岸の火事ではない。

仮に高市政権となる場合、その引き金が引かれる可能性も否定できません。市場は理屈以上に「物語(ナラティブ)」に左右されます。英国発の財政不安が「日本にも波及するのではないか」という思惑そのものが、円や日本国債の取引材料になるリスクを強く意識すべき局面にあります。
現在は総裁選、為替、債券市場を慎重にウォッチしている状況です。

株式会社アイリンクインベストメント
ストラテジスト 岩本壮一郎

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