5月相場を揺るがし続けた「トランプ砲」6月も続くか?
2025年5月相場は、月初から月末まで一貫してトランプ前大統領の発言に振り回された印象が強い。株式市場や為替市場は何度も乱高下し、相場の予測は困難を極めた。特に、経験豊富な投資家ほど対応に苦慮した一方で、初心者や逆張り派が成果を出しやすい環境となっていた可能性もある。
トランプ氏の主な発言とその波紋(2025年5月)
1. 日本製鉄によるUSスチール買収承認表明
・トランプ氏が買収を支持したが、保守派や鉄鋼労組から「国家安全保障上の懸念」が噴出。
・一部報道では「承認が見直される可能性」も示唆された。
➤ 現時点で正式な撤回はないが、共和党内の反発が今後の展開に影響を与える可能性がある。
2. EU製品への最大50%関税に言及
・業界団体からは「報復関税による雇用喪失」への懸念が表明され、米商工会議所も反発。
・後の演説では発言をややトーンダウンさせ、「交渉カード」と位置づけた。
➤ 関税発動には至っておらず、選挙戦略の一環とする見方が強まっている。
3. 対中姿勢:「優しくしない」発言とその後の軟化
・SNSでは強硬なトーンを見せたが、その直後には「良好な取引も可能」との発言に転じた。
➤ 対中強硬路線は継続姿勢ながら、発言の一貫性には欠けている。
【為替市場とドル円の動向】
為替市場では、米ドルと円の綱引きが激しさを増している。中期的にはドル安・円高基調が継続しているものの、短期的には乱高下が目立ち、明確な方向感に欠ける展開が続く。
特に5月のドル円は、週明けにたびたび窓を空けてスタートし、「トランプ発言」をはじめとした材料に敏感に反応。短期的な急変動と中期的なトレンドの交錯により、相場の予測は難解なものとなった。
現在注目されているのは、142円台のサポートラインを明確に割り込むかどうか。これが実現すれば、140円割れの再来とともにダウントレンド加速の可能性も出てくる。
ユーロドルも近ごろボラティリティが増加しており、2023〜2024年の穏やかな相場に慣れたトレーダーには注意が必要な局面だ。
【日経平均の現状と展望」
日経平均株価は、日足ベースで見るとレンジ相場の様相が強く、上下どちらにも動きづらい状況。選挙や貿易政策に絡む大きなファンダメンタル要因の行方を見守る構えが続いており、当面は“膠着状態”が続く可能性がある。


【今週の注目イベント(6月第1週)】
以下のように、6月最初の週も重要な経済指標や中央銀行イベントが相次ぐ予定となっており、マーケットの変動要因として注視される。
6月3日(月) ニュージーランド市場 休場
23:00~米ISM製造業景況指数
6月4日(火)
23:00~米JOLTS求人件数
6月5日(水)
21:15~米ADP雇用統計
22:45~BOCカナダ中銀政策金利 & 声明
23:00~米ISM非製造業景況指数
6月6日(木)
21:15~ECB政策金利 & 声明
21:30~米新規失業保険申請件数・貿易収支
6月7日(金)
21:30~米雇用統計
★総括:6月も「トランプ砲」に要警戒」
5月を通じて繰り返された「トランプ砲」の余波は、6月以降も市場を翻弄する可能性が高い。選挙戦が本格化する中での発言や政策提案は、実現性よりもインパクト重視の側面もあり、マーケット参加者は常に「材料の真偽」と「市場の反応」の両方を冷静に見極める必要がある。
2025/06/01 FX専門投資助言者「馬」


