土曜日, 2月 14, 2026
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米国債CDSの上昇が示す世界金融の脆弱さと“トリプル安”再来か?

米国債のクレジット・デフォルト・スワップ(CDS)が上昇しています。これは、米国債の信用リスクに対する市場の警戒感が高まっていることを意味しており、世界の金融市場に静かに緊張感が広がりつつあります。

通常、安全資産とされる米国債のCDSが上昇する局面では、投資家は「債務不履行」リスクをより強く意識し始めていると解釈されます。これは単なる金利上昇やインフレ期待といった通常の要因ではなく、「米国の信用力そのもの」への不安を含んだ動きです。

その影響は、他国の国債CDSや企業の社債CDSにも波及しています。CDSの上昇は保険料の上昇を意味し、特に財務体力の弱い企業や新興国にとっては資金調達コストの上昇を招き、金融面での選別が強まる可能性があります。

こうした背景の中で、マーケットでは「近くトリプル安(債券安・ドル安・株安)が現実のものになるのではないか」との懸念が強まっています。

「トリプル安」とは、通常は安全資産とされる米国債やドルまでもが売られ、株式市場も下落するという、いわば市場の全面的な信認低下を示すリスクシナリオです。すでに米国の財政赤字や選挙イヤーにおける政策不透明感が意識されており、金利や為替の動向が不安定化するなかで、この構図が現実味を帯びてきています。

今後、こうした状況が本格化すれば、ハイイールド債市場では信用収縮が進み、企業の資金調達や設備投資にも悪影響が及ぶ可能性があります。また、為替市場ではドル売り圧力が強まることで円高や他通貨高を誘発し、輸出企業の業績や株価にも波及する懸念があります。

株式市場では、こうした金融市場全体のセンチメント悪化が材料視されると、個別株の好材料がかき消され、全体としてリスク回避的な動きが広がる可能性も否定できません。特に現在は、相場全体が「ポジティブ材料を全力で織り込んで」上昇してきた側面もあり、失望材料が出た場合の下振れリスクには警戒が必要です。

米国の金融政策だけでなく、財政運営、地政学リスク、そして国際的な信用評価の変化が複雑に絡み合う中で、マーケットは新たな局面に入りつつあります。今後もCDS市場や為替、長期金利の動向を注意深く観察しつつ、リスク管理を徹底することが求められるフェーズに入っているといえるでしょう。

岩本壮一郎(いわもと・そういちろう)
株式会社アイリンクインベストメント代表/マーケットストラテジスト

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